認知症診断、っていうけど その2


さて、と。どーすっかね。この話。だんだん、深みにはまってきた。
ということで、

認知症診断、って変わる

ってな感じの話にしよっと。


前回までの話。まあね、認知症の原因疾患って、かなりの部分まで、病理によって決まる。なものだから、生きている間の特異的な「症状」(まあ、この「症状」っていうのあまり好きではない。脳は機能を司る臓器なので。そのうちに、この話も書くけどさ)を記述する。まず、これ大事。その特異的な「症状」から特異的な病理像をうまく占うことができるように、その特異的な「症状」の内容をチューナップする。でね、そのチューナップのおしごとは、clinicopathologyって学問が担うんだろうね。まあ、臨床と病理をくっつけてくれる接着剤みたいなもんかな。その接着剤の性能次第で特異的な「症状」の集まりの良し悪しが決まる。
まあ、ざっくり、そんなとこかな。前回とは言葉は違うけれど、まあ、そんな感じの話でした。


たぶん、症候学ってのは、疾患ごとに集められた特異的な「症状」群をまとめることとそれぞれの「症状」を記述することなんだろうね。そこで、還元論的な書き方をすれば、「認知症」とは、すべての、認知症の原因疾患の特異的な「症状」群の総和のことだろうね。そういうコンテキストで、認知症とは、一番大きな症候群の集まり。
なんだろね、この面倒な表現は。ぼくのせいか? まあ、ぼくのせいか。


ということは、だ。一人の人に、現れる「症状」が時間的に変化することは、もう当たり前のように、想像できるよね。実際そうだしね。ということは、だ。それに応じて臨床診断が変わるんだ、ね。そして、長年、認知症と関わる人々、まあ、認知症を専門とする医師、とか、専門職とか、にとって、これも常識(のはず)。なにも一人の人に、ひとつだけの「症状」が出る、とは限らない。だから、臨床診断名が複数同時につくことすらある。一人にひとつの病名とは限らない。
具体的には、はじめは、アルツハイマ型認知症。でも、幻視や運動機能の低下、などが、あとからついてきたら、レビー小体型認知症が併発。さらには、認知機能と関係の深そうな部位の脳梗塞が出現したら、そこから、プラスアルファで、血管性認知症も重なる、ってことすらある。まあ、面倒だけれど。たとえ、そういうことが起こっても、必ずしも間違いではない。(まあ、見落として間違ってしまうのは、ふつうに間違いだけれどもね。)いまは、臨床診断、とは、そういうパラダイム。しょうがないんです。受け入れてください。


つまり、臨床診断、であれば、その人の状況に応じて、変化することもあるし、複数の疾患名が重なることもある、ってこと。
あっ、まだ、MCIの考え方や、よくある診断基準の考え方、とかに触れないで、ここまで、来てしまった。なものだから、まだ続きそう、この話。


カテゴリー: 認知症の考え方