認知症の症状、っていうけど その4


とはいえ、抗精神病薬。劇的な変化を起こす薬である。
いわゆる「周辺症状」と呼ばれる現象(めんどくさいの、この稿では周辺症状」とする)に対して、特に新しい抗精神病薬、非定型と呼ばれている薬について、2000年以降、海外の臨床試験では、いくつか報告があった。
日本は、まだセレネースとかニューレプチル、ウィンタミン、コントミン、グラマリール・・・。
そんな世界であった。
あっ、どんどん、専門的な話になっていくかもしれない。
情報公開の時代。
あんま、その辺、お構いなく、続ける。
でも、個人情報は守らないといけないので、個人が特定されるようなことはしない。

で、だ。
当時、内科の先生の多くは、「周辺症状」にマイナートランキライザーを出すのが一般的な時代。
それって、なにか、っていうと、比較的いまでもよく使われる抗不安薬とか睡眠薬のたぐい。
それを使っていた。
有名どころでは、デパスとかリーゼとかワイパックス、レキソタン、セルシン、とかとか。
神経内科や脳外科の先生は、エレガントに、セレネースの少量投与とか、使い慣れている抗てんかん薬。
精神科の先生は、修羅場を経験し、そのとき使ってきた薬を中心に、量と調整しつつ、セレネースとかニューレプチル、ウィンタミン、コントミンとかとか。三混(さんこん)とかいうのもあったなあ。それって、セレネース、レボトミン、副作用どめにアキネトンをみんな混ぜて筋肉注射する。病院によってカクテルの内容が変わる。劇的に興奮している場合に、緊急対応として、医者が集まって、そういう処置をする。

まあ、その医師の専門領域的によって、なんとなく、「周辺症状」への薬物療法が異なっていた感があった。
でも、どの科目の先生も、そういう(その当時の話であるが)裏技をもっていたわけではない。
もっとも、たぶん、はやっていたのが、グラマリール。

暴れてる?

グラマリール。

殴る?

グラマリール。

大声出す?

グラマリール。

とりあえず、周りにとって、扱いづらいことがあれば、

グラマリール。

きっと安全だろう、って思ってたんだろうね。
だからといって、効かないわけではない。
うっすら効く。
みんな使った。
ぼくも使った。

でも、効果がぱっとしないけれど、この手の薬。
のちに経験するのだけれど、安全なわけでない。
効かない割には普通に副作用もある。
そもそも薬は、常に、そうである。
危険と便益を天秤にかけて、医師が判断する。
法律がそう決めている。
(医師が処方する)薬にせよ、レントゲンにせよ、手術にせよ。
医療上取り扱いが難しい場合には、医師(など)の裁量の下にそれらはおかれることになっている。

あっ、たくさんの薬の名前を書いたけれど、どの薬のせいで、どう悪くなったか、は書かない。
しかも、ここでの話。
カルテの保存期間を超えた5年以上の前の話。
理由は、ここで書いた。
以前は、グラマリールとか古い抗精神病薬の副作用を、ぼくは多くみてきた。
とりわけ、外来の医師から、訪問診療に切り替わった時に。
そわそわしていて、いてもたってもいられないような、静座不能、といった状態。
アカシジアという。
からだの動きが悪くなって、転倒、のみ込みが悪くなる、よだれが止まらない、ふるえる・・・。
あるいは、便秘がひどくなる、のどが渇く・・・。
さらに、
アカシジアとかは、しばしば間違えられやすい。
その状態、薬のせいだとおもわなければ、効いていない、と判断してしまいがち。
さらに量が増えたり、別の薬が足されたりする。
そういえば、もう、あまりグラマリールとか古い薬を処方しているのを、久しく見ていないなあ。
もう、これらを使う医師が、いなくなったのかなあ?
よくわからないけど。

まあ、そんなこんなで、
そんなとき、出てきたのが、非定型抗精神病薬。
まず、薬の登場で、「視点」のステージが変わる



カテゴリー: 認知症の考え方