当院の職員も参加して定期的に開かれている勉強会があります。 認知症 のある人、医師や専門職、メディア関係者など、立場を超えて、様々なテーマで話し合っています。
そんな勉強会での木之下院長のお話をひとつご紹介します。
認知症 があると「もの忘れ」をすると世間ではよく言われますが、院長は、この言葉に違和感があると言います。
記憶には「(記憶を)入れる」「持っている」「出す」という3つの機能があり、認知症になると、この「入れる」ところが苦手になる場合がある、というのです。
つまり、記憶することが苦手になっているわけで、一度入った記憶を「忘れる」のではないのです。
この誤解が、人間関係に大きな悪影響を及ぼします。
自分では忘れていないのに、周囲から、「もの忘れ」を指摘されることを想像してみてください。身に覚えがないことを理不尽に言われているように感じるのではないでしょうか。そして、イライラをためていき、いつか爆発してしまうかもしれない。それが、認知症というだけで「暴力」と言われてしまったら、どうでしょうか。
記憶しづらさがあるわけですから、周囲はそれに配慮し、接すればいいのですが、記憶という見えない障害であるために、「忘れている」と誤解されてしまう。そして、そのことを責められて、周囲との関係を悪くしてしまう。悪循環に陥っているのではないでしょうか。
まだまだ誤解が多い認知症。当院では、認知症の新しいとらえ方も伝えていきたいと思います。
文責:平田知弘
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