今度は対処の仕方。
ちょいちょいおられます。
こういう方。
「2日間アリセプト飲んで、なんでもなかったんです。
でも今日飲んで1時間くらいしてなんだか気持ち悪いんです。」
おそらく、薬のせいですね。
「まず明日からやめましょう。」とお伝えします。
でも、本人が飲みたいといったアリセプト。
(効果などについてはのちにお伝えします。)
もうやめてしまうの?
まって!
もったいない。
克服。
多分できます。
理屈を考えましょう。
血の中の薬の濃度です。
おそらく次のようになっているはずです。
ですね。
濃度依存の副作用において、それが出現した。
3日間の薬の濃度の推移がこれ。
だから、時刻①が存在する、ということでしょ。
ちなみに時刻①が存在するってことは、時刻②もある、ということですね。
すると気持ち悪い時間帯は(時刻②マイナス時刻①)時間と、その時間も推定できますね。
そこで、3日目の何時に気持ち悪くなったのかは不正確なものとして考えた場合、
どの濃度が副作用の出る領域なのか?
安全側に見積もりましょう。
次のようなグラフになるでしょう。
この緑の領域に薬の濃度が到達しなければ、いいんです。
次のようなやり方があります。
1)まず3日間止める。
2)半分にして(最初3mg飲んでいたんだったら1.5mg)毎日飲み続ける。
なんと、気持ち悪くならない!
わかります?
「2日目で気持ち悪くなったら、どーするの?」
そりゃそうだ。
よくありますね。
こんな風にします。
グラフを見てください。
そうなんです。
5日間やめて、半分の量を一日おきに飲めば気持ち悪くならないで済むんです。
でこの薬、同じ分量を2ヶ月間とか4ヶ月間とか飲み続けると体に慣れが生じるようです。
徐々に増やしていく。
すると、以前気持ち悪かった分量でも体が大丈夫になります。
これは、ちょいちょい気持ち悪くなられる人が多かった。
そこで工夫して、わかったことなのです。
直感的もそんな感じするでしょ。
ちなみに、アリセプトには、3mg錠と5mg錠があります。
ハサミとか包丁で、半分にするくらいはできます。
つまり1.5mgと2.5mgのかけらができます。
組みわせると、
1.5mg,2.5mg3mg,4mg,4.5mg,5mg….とあとは0.5mg刻みで増やすことができます。
なんだか算数の問題ですが。
そうなんです。
この3mg錠と5mg錠という形。
なかなかのもんです。
なので、
当クリニックでは、薬を飲み始めた日、3日目、7日目に電話連絡をします。
そして2週間ないし1ヶ月後に外来でお会いする手はずになっているというわけです。
しばしば散見する「濃度依存の副作用」が出ようものなら、上のように血中濃度を推定しながら副作用領域に入らないような飲み方をお伝えする。
それから数ヶ月単位で漸増(およそ0.5mg刻み)で処方をしていく。
いつか有効な用量に辿り着ける。
そんな算段でやっています。
そしてこれまでの説明。
僕オリジナル的な話はなかったでしょ。
使ったのはインタビューフォームの数値のみ。
あとはカリカリ計算あるのみ。
濃度依存ではない副作用はこの限りではありません。ご自身いついて心配であれ必ずかかりつけの先生にご相談くださいね。
さあ、
次に「効果」についてです。
こちらの誤解も世間では広がっています。
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