【ブログ】木之下徹の認知症とともにより良く生きる:「認知症医療って。第4の足場」

予防できない、治らない病気になって、進行も止められないとき。私たちは医療から切り離されてしまうのでしょうか?人として最後まで自分の人生を生きたいだけなのに。そういう医療が欲しいです。

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これまでの医療の視点とは、(1)病気にならないようにする技術。(2)なってしまったら早く治す技術。(3)治らなければその状態を長く維持する技術。そんな風にくくれるのではないでしょうか。であれば、つまり医療の足場がそれしかなければ、つまり(3)のあとですが、維持すらできなければ、医療が役立つことがなくなってしまう。すなわち医療の敗北、となってしまう。

 そういう医療文化の文脈においては、認知症はなってしまえば、予防も治療も維持すらできない。そこで医療は役に立たない。そんなことになってしまう。「◯◯すると認知症にいいんです!」というのは、そんな意識で支えられる医療が敗北しないようにあがき、強迫的な思いが支えている側面がある気もするんです。

 近年、在宅医療がクローズアップされ、心ある在宅医療を実践する医師が大勢おられます。彼らは往診先の人々の在宅死を体験する。当然看取りに直面せざるを得ない。つまり、予防も、治療も、維持すらできない状況で、人生の最終盤での医療サービスを提供しています。彼らが体現する医療とは、上で述べた三つの類型だけではあてはまりません。そういう現実と向き合うことで予防、治療、維持以外の医療の文化が芽吹き始めているのだと思うのです。


ヨミドクター 「認知症、第4の足場」 をご覧ください。

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