【ブログ】認知症の薬を効かせる秘密(04)副作用その2

さて、インタビューフォームから。

あっ、しばらく、きちんとした説明をします。

なるべく平易に書きます。

それでも人によってはしばらくクラクラくるかもしれません。

読まなくてもいいんだけど。

ともかく、僕は自分のオリジナルの考えを押し付けているわけではありませんよ。

公開された情報だけしか使ってませんよ。

そんなことを示したくてやっているだけです。

悪意はありません。

しかもブログなので、冗長でも好き勝手に書きます。

適宜読み飛ばしてください。

もとい。

インタビューフォームから。


そこで薬を飲んでから体の中、要は血の中ですが、最高の値になるまでの時間。

それを最大血中濃度到達時間tmaxと言います。

それが3時間程度。

もう一つ。

生物学的半減期t1/2と言うもの。

80時間程度。

体にあった薬が半分になるまでの時間です。

結構長いですね。

一回のめば結構体に残ります。

よくない?

いいえ。

この薬のこんな性質があるから血中濃度依存の副作用が調整できるんです。

のちに示しますが場合によっては、一日おきに薬を飲むことにも意味があったりするのです。

血中濃度依存?

そうなんです。

以前書きました。

やめたら副作用が改善したんですね。

やめたら速やかに改善するような副作用。

アレルギ反応例えば、身体中にボツボツ皮疹が出るような薬疹などは濃度依存ではない、と思われるので注意が必要です。

免疫応答は濃度依存とは必ずしも言えない現象だと思うのです。

あくまで血中濃度依存の副作用についてです。

例えばキーちわるっ(気持ち悪っ)とか吐き気などがそうかもしれませんね。

一番多そうな「気持ち悪っ」。

それは血中濃度に単調に依存する、という緩やかな仮定をおきましょう。

まず薬を飲んで気持ち悪くなるとしたら、最大血中濃度到達時間以内なわけです。

つまり飲んでから三時間以内に出るはず。

出なかったらこの日は大丈夫。

朝飲んで夕方気持ち悪くなったら、この仮定から外れるわけです。

そうなったら別の理由。

薬ではないとするとなんでしょうね。

ちゃんとかかりつけの先生に相談してください。

逆に三時間以内であれば、この薬のせいの可能性が高い。

もう少しだけ仮定を不自然でない程度に強くしましょう。

半減期が80時間程度。

ところで体が単純な水風船のような一つの箱(袋なんだけど、なんだかコンパートメントという角張った感じの単語が使われているから箱)だと考えるモデルを業界的に「ワンコンパートメントモデル」というようです。

業界というのは薬物動態の業界。

体の中の薬の濃度の変化について考える業界。

場合によっては水に溶けやすい成分と溶けづらい成分という風に、体は2つ箱でできていると仮定する「ツーコンパートメントモデル」というのも業界的にあります。

理由はさておき今回の薬の場合には体を二つの箱でできている、という複雑な仮定はなくていいと思います。

単純なモデルで説明できそうな場合にはわざわざ複雑なものを選ばない、という自然科学でよくある態度で次に示しますが今回は「ワンコンパートメントモデル」でいい。

「ワンコンパートメントモデル」とは体に今ある薬の量がその量に比例して等しい割合で減るといったモデルです。

つまりtを時間、yを薬の量、kは比例定数とすると、[latex]\frac{dy}{dt}=-ky[/latex]という単純?な微分方程式で書くことになります。

まあ、うざいでしょうが、単純とさせてください。

一回の服用であれば、これでいいのです。

ただし一日一回で数日間飲むようなパターンでは体の外に薬自体のコンパートメントを用意しないと計算できないのでわずかに複雑になります。

でもなんと業界人はこれをもっとも単純なモデルと考えます。

で、面倒なことをくどくど書きましたが現実をそんな仮定で考えていいのか。

そんな疑問がよぎります。

検証しましょう。

同じインタビュフォームのページから。

こんなグラフがありました。

先ほどの仮定に基づいて微分方程式の結果を実際にコンピュータで近似的に計算するような色々なやり方があります。

僕はルンゲクッタの方法と呼ばれるものを利用しました。

細かい話はさておきます。

中身はどうであれ、いろんな薬の飲み方で体の中にある薬物の濃度を今いった仮定で時間毎の体の中の薬の濃度がわかるようなアプリを作りました。

誰もが自由に使えるようにクリニックのホームページにアップしようかと思っています。

僕は素人なので、それなり、の程度ですが。

もうアプリの原型を作ったのはいいのだけれど、このホームページへの移植で一部詰まっていて。

そのうち。

もとい。

一回服用で、その後そのまま1週間程度様子を見た場合のシミュレーション結果が下のグラフです。

おー。

さっきと似た感じになりましたね。

横軸は時間と日数の違いがあって縦軸は絶対的な濃度と相対的な濃度の違いがありますが、今回は形の似具合だけで十分。

どうも最高血中濃度到達時間が3時間、半減期が80時間という条件でのワンコンパートメントモデルという仮定は良さそうですね。

それではこの条件で血中濃度依存の副作用の対策を考えてみましょう。

長々。すみません。

前提がお話しできたので、これからは少しづつわかりやすくなるかと思います。

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