#01ネーミングセンス

#01 ネーミングセンス

「勝手に外に出て行ってしまい警察に保護されました」。よく聞く話です。
警察へ行けば「徘徊」と言われ、私たちもご家族もこのように一言で表現しがち。
でも本人に話を聞くと目的があることが多い。
○○に会いに行った、実家に行った、仕事に行った、など。
それで、○○さんは亡くなっていてこの世にはいなかったり、実家はすでになかったり、退職して何十年と経っていたり、事実と違うことが判明すると、
「これは認知症の症状でいわゆる徘徊だ。大変だ」と言うことになる。
でも本人にとっては、○○さんは生きているし、実家はあるし、仕事もしているのだ。
私たちも、○○さんに会いに行くし、実家にも行くし、職場にも出かける。それと一緒では?
でも「ハイカイ」と一言で言われると思わず眉間に皺が寄る。

何かこのマイナスな印象を払拭するようなネーミングはないだろうか。
たとえば、
昔はぼけと呼ばれていたものが今では〇〇型認知症と変化したように、
なんとか型徘徊症としてみるのはどうだろう?
新型徘徊症や自由型徘徊症など。
病名にすることによって「病気だから仕方がないね」と理解が広がるかもしれない。
または、かわいいがkawaiiとなったように、
Haikaiiとローマ字にしてグローバル展開しイメージを変える。
この場合は発音もしっかりHaikaiiと言っていただきたい。
もしくは、全く違う名前にしてしまう。
仮にそれを「青い鳥」と名付けてみる。するとこんな会話が聞こえてくる(はず)。
娘「お母さんは青い鳥を探しに出かけたのよね。青い鳥は見つかった?それは残念ね。
でもね青い鳥は探しに行かなくてもずっとここいるわ」
ネーミングセンスがあるかどうかはさておき、
響きによって徘徊の印象が随分と変わるのでは?
グッドなネーミング募集中。
冨田しのぶ 
のぞみメモリークリニック医療事務スタッフ/映像クリエーター

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